鹿角の未来を育てる
「子育て」に関する調査結果
今後のまちづくりにとって重要度が高い取り組み
ママがお腹の中で大切に育んできた小さな命。命がけの出産を経て、元気な産声をあげる我が子はかわいいものです。待ちに待った我が子との対面は、これからの「子育て」のスタートでもあります。
子どもは日々成長する中で、感動や笑顔を私たちに運んでくれるかけがえのない宝ですが、現実の育児は幸せだけではありません。
令和6年度の市民アンケート結果では、これからの重要度が高い取り組みとして、「地域ぐるみの子育て支援の充実」が上位に挙げられています。
子育ての負担感
2~3時間おきの授乳やおむつ替えでの寝不足から始まり、子の成長と共にやってくる夜泣きやイヤイヤ期。また、育児だけでなく、毎日の掃除や洗濯、料理などの家事。仕事は就業時間が決まっていて休憩時間がありますが、子育てに休憩はありません。小さな命を守り、育てるために、365日、24時間働きづめになります。
このような子育てに対する負担感の増大は、少子化の原因の一つになっています。そのため、安心して子どもを産み、育てることのできる環境づくりを社会全体で支援していくことが必要です。
子育て環境の変化
令和6年8月に行った「鹿角市子ども・子育て支援に関するニーズ調査」では、子どもが参加できる活動やイベントの開催、地域で子どもを育てる意識の向上が望まれており、家庭だけでなく地域全体での子育て支援の充実を求められています。
令和5年4月にかづのファミリークリニックが開院しましたが、来年度からかづの厚生病院小児科への岩手医大からの常勤医師の派遣の取り止めと、小児科入院病床の受け入れ中止の方針が示され、本市の子育て環境は新たな岐路に立っています。
地域で支える子育て
このような中、子育て環境の変化に対応し、行政だけでなく、地域ぐるみでの子育て支援を充実させるために、子育てに奮闘する家庭をサポートしている地域の人たちがいます。
子育ては、当事者のパパママだけでなく、家族や地域全体が優しい気持ちで、子どもや子育て家庭を見守ることのできる環境づくりが大切です。
未来を担う子どもたちが、健やかに成長するために、本市が地域と連携しながら取り組む子育て支援の紹介と、そこに関わる人たちの想いについて、クローズアップします。
妊娠・出産・子育て期 切れ目なくサポート
安心して子どもを生み、子育てをしてもらうため、妊娠期から子育て期にわたる本市のさまざまな子育て支援の取り組みの一部を紹介します。
妊娠出産等応援給付金
妊婦健診や出産に係る費用(紹介状や初診時の医療費、妊婦健診の交通費など)や産前産後の物品、サービスの費用(育児用品の購入費や家事サポートの利用費など)にご活用いただけます。
ママサポート119
出産予定日や母体の状況などを事前登録しておくと、妊婦の緊急搬送が必要な場合に、迅速に対応できます。
産後ケア(訪問型)
子育ての不安や悩みを抱えるママたちが安心して子育てができるよう助産師が自宅に訪問し、サポートします。
こんにちは赤ちゃん訪問
生後4か月までに保健師などが自宅を訪問します。育児や産後の不安や悩みなどを相談できます。
病児・病後児保育
病気にかかり、学校、保育園などに行くことが難しい時に、保護者が仕事や冠婚葬祭、急な用事などで自宅での保育ができない場合に利用できます。
病気中であり、病気の回復期に至るまで専用の病児保育室で保育します。あらかじめ電話予約が必要です。
病気の回復期にあり、集団生活が困難な場合に専用の病後児保育室で保育します。
共通事項
一時預かり
保護者の都合で家庭で育児できない時や、疾病、入院などの緊急時に、保育園に入園していない児童を一時的にお預かりします。
保育料と給食費の完全無償化
本市では、保育料と保育園の給食費(主食費+副食費)が完全無料で、子育て世帯の負担を軽減します。
詳しくは、市ホームページをご確認ください。
テレフォン病院24
子どもの急な発熱や育児の悩みのほか、健康に関することなど、専門スタッフが24時間、年中無休、通話料無料でお答えします。病院の受診前や休日・夜間など、診療時間外にご利用ください。
パパママ同士の交流や子どもたちの遊び場~みんなおいでよ すくすく集いの場~
子ども未来センター
子ども未来センターは、木のぬくもりあふれる子育て憩いの場。お子さんと一緒に自由に遊ぶことができます。
また、妊婦さんや子育て中の家庭のための講座やイベントの開催のほか、ママたちの子育て相談、かづのファミリー・サポートセンターの窓口など、子育て支援の拠点施設になっています。
児童センター
児童センターは、0~18歳未満の子どもたちとその家族がいつでも利用できる遊び場で、小さい子から大きい子まで、同じ空間で一緒に育ちあえる場所です。
ボール遊びや卓球、バトミントンなどができる広い遊戯室では、体を動かして思い切り遊ぶことができます。活動室では、オセロやトランプなどのボードゲームや人形、ブロックなど遊び道具も充実しています。
子ども未来センターの子育て事業をご紹介!
あのねの日
コモッセの和室で、保健師などが子どもの計測と子育ての悩みについて相談を聴いてくれます。
そのほか、助産師や歯科衛生士、栄養士などの専門家が来てくれるときもあります。日頃の子育ての悩みや気がかりを「あのね」と、気軽にご相談ください。予約は不要ですが、当日先着20組です。
うみたの
妊婦さんとご家族の不安や疑問を解消するための講座。助産師や保健師、未来センターのスタッフが、退院したその日から始まる赤ちゃんとの暮らしを具体的にイメージできるようサポートします。産後間もないママも参加できます。
育児サークル
「子育て中もいろんなことを楽しみたい」そんなママたちが集まって、自主運営で活動している育児サークル。子どもと一緒にお出かけしたり、託児をしてヨガや料理をしたりしています。活動中のサークルについては、未来センターへお問い合わせください。
※その他、子ども未来センターの事業や日程は、25ページをご覧ください。
利用者の声
スタッフの声かけが温かい
「あのねの日」には毎月来ています。体重や身長の計測があり、成長がわかるのがありがたいです。保健師や助産師、栄養士などの専門家が来てくれるので、離乳食や授乳、沐浴指導など相談に乗ってもらえるのがうれしいです。
私は、鹿角市に移住してきましたが、他市では産後ケア利用が1回程と聞きましたが、鹿角市は5回無料で利用できました。授乳で悩んでいたので、自宅まで来てサポートしてもらえたのは、とてもありがたかったです。
未来センターの皆さんは、子育ての悩みなどを相談しやすく、初めて未来センターに来た時にも、「よく来てくれたね」と話しかけてもらい、周りに親戚も友人もいなかったので、とても温かい気持ちになりました。
子育てで大変と思っても、子どもの顔を見ていると癒やされるし、和むし、幸せだなぁと感じます。そしてまた、大変に思ったり。毎日がその繰り返しですが、やっぱり子育ては楽しいです。
素敵なママ友ができました
未来センターにはよく遊びに来ていて、自由に利用できるので、雨の日など外で遊べない時に助かっています。
子どもが2人いて、高齢出産だったので、子育てについて同世代の友達に相談しても子育てが終わっていて、未来センターのSyabellに参加したときに、いろいろな悩みを打ち明けられました。未来センターの皆さんには、子育ての悩みだけでなく、個人的な悩みを話したこともありましたが、否定せず話を聴いてくれて、号泣したこともありました。そういうことがストレス発散にもつながったと思います。
現在は、Syabellで知り合った、素敵なママ友メンバーと一緒に子育てサークルを作り、ママ同士で愚痴をしゃべり合ったり、料理教室をしたりしています。サークルの時は、未来センターに子どもを預けられるので、もし私たちのサークルに興味がある人は、未来センターまでご連絡ください。
地域で支える子育て・かづのファミリー・サポート・センター(略してファミサポ)
「仕事で保育園の送迎が間に合わない」、「友人の結婚式の時に子どもを預けたい」など、援助を受けたい人(依頼会員)と援助できる人(提供会員)をマッチングします。ファミサポは事前に会員登録が必要で、子どもがいる家庭すべての人が利用できる地域サポート事業です。
依頼会員
(1)~(3)の第3子以降は、料金が無料(送迎の交通費を除く)になります。手続きには、戸籍謄本の提出が必要です。なお、市外の人と小学校4~6年生は、無料の対象外です。
※未就園児、児童扶養手当受給者は料金が半額です。
※利用料金は、時間帯や年齢などによって変わります。詳しくは、市ホームページをご覧ください。
※早朝(7時~)と、夜間(19時まで)の利用は、事前にご相談ください。
※利用できる子どもの年齢は0歳~小学校6年生です。
申込方法 子ども未来センターで会員登録をします。印鑑をお持ちください。
提供会員
空いている時間を活かして、子育てのサポートをしませんか。ファミサポは、子育てをサポートしたいという提供会員の皆さんの協力で成り立っています。ここでは、現場で活躍する提供会員の2人に活動への想いを聞きました。
子どもの笑顔が力に
勤めていた職場の「ファミサポ提供会員募集」のポスターに目を引かれ、退職後に提供会員として登録しました。
活動は、週2~4回ほど行っていて、休日に保育をすることが多いです。お預かりしたお子さんがだんだん私に慣れてきて、笑顔を見せてくれたときや、親御さんから感謝の言葉をいただいたときに、やっててよかったと感じます。
お子さんを預けるのは、不安かもしれませんが、安心してお任せいただければと思います。
空き時間に子どもと関わりを
もともと保育士で、退職後も子どもと関わりたいと思い、提供会員に登録し、10年ほど活動を続けています。ファミサポは、時間の融通がきくので活動しやすく、日常生活の空き時間に子どもたちと関われることを幸せに感じています。
活動を通して、ママたちのお手伝いができてありがたいと思っています。子育てには、大変なこともあると思いますので、気軽にファミサポを活用してもらいたいです。
おわりに
子どもは十人十色。それぞれ個性の異なる子どもと向き合う子育てには、正解がありません。きっと次々に悩みが出てくるかもしれません。そのような時、一人で悩みを抱え込んでいませんか。
身近な人や行政に相談したり、ファミサポを利用して映画や買い物に出かけてリフレッシュしたり、時には周りに頼っていくことも必要です。そして、共に子どもの成長を見守る周りの温かなサポートが鍵です。
子どもたちが「鹿角に生まれて良かった」と感じ、パパママが「鹿角は子育てしやすい」と思えるために必要なこと―――。
鹿角の未来(子ども)を地域みんなで育みませんか。
一人で悩まず、お気軽にご相談ください
こども家庭センターでは、市内に在住の妊産婦や子育て世帯それぞれに寄り添った支援を行っています。電話相談や面談、家庭訪問により、相談の内容に応じて関係機関へおつなぎし、解決のサポートをします。まずはお気軽にご相談ください。